観葉植物を増やすには、株分け、挿し木、取り木などの方法がある。
株分けは、1鉢の株を2〜4の株になるように分割し、その株についている古い根や、鉢植えにじゃまになる長い根だけを切って植え替える。
株分けして植えた株は、先ずたっぷりと水をやりをした後に半日陰〜日陰に置き、早く根付くように毎日あるいは1〜2日おきに葉水を与える。鉢土が乾くようなら水やりもする。1週間から10日で根付くので、それぞれの植物に適した場所に移動する。
挿し木は発根してある程度育ってから冬を迎えた方が良いので、5〜9月までの時期が適期である。
切り口をなめらかに切り戻し、十分に水を吸わせてから挿し木する。発根を早めるためには、葉面積を少なくして蒸散を制限する。
挿し木の切り口は大きな傷口でもあるので、雑菌や肥料分がなく清潔で、しかも水持ち、水はけの良い用土に挿す。一般にバーミキュライト、バーミキュライトとピートモスの配合、ピートモス、パーライトなどが適している。
挿し木終了後は日陰に置く。最初にたっぷりと水をやり、その後は乾かない程度に管理し、霧吹きで葉水を与え、挿し木床の水はやりすぎないようにする。
発根して鉢上げできるまでの時間は、草性の植物は1ヶ月、木性の植物は45〜60日が目安となる。植物は根が十分に出ると芽が伸びてくるので、発芽が植え替え時期を示す手がかりとなる。
取り木は植物の適度な位置に傷を付け、そこから根を出させて切り取り鉢に植え、新たに育て直す方法である。取り木は発根してある程度育ってから冬を迎えた方が良いので、5〜7月までの時期が適期である。
取り木の方法には、環状剥皮法と切り込み法とがある。双子葉植物はいずれの方法でもできるが、単子葉植物は切り込み法でしかできない。
頂部を長く取り木したり、葉を多くつけて取り木したりすると、発根した根は地上部の生育をまかないきれないため、その後の生育が悪くなりやすい。
切り込み法の場合は、切り込んだ間隔に必ず湿った水苔をはさむ。水苔を巻いた後、取り木が終わるまで、水苔が乾かないように管理する。
十分に発根して切り離せるようになるまでに2〜3ヶ月必要である。水苔の乾燥防止に巻いたビニールの下に、根がたくさん見えているのを確認してから切り離す。
発根させるために巻いた水苔は、はずさない。水苔をつけて発根部の下で切り、ビニールだけをはずしてそのまま鉢に植える。
鉢に十分に根付いて新芽が出るまでは、日当たりを好む植物は半日陰に、半日陰を好む植物は日陰に置き、毎日葉水を与えて葉からの蒸散を抑制する。